長時間露光という表現


カメラで写真を撮る。という行為は1つの表現であります。写真を撮るという行動を起こすには、何か理由があるのです。目の前に広がる景色が綺麗だから。友達との記念に。忘れないための記憶に。誰かに伝えたい思い。そんな理由で写真を撮ると思います。それは、1つの表現なのです。

では、写真を撮る表現の方法について少し考えていきましょう。
Canon EOS 5Dmk2 Canon EF 70-300mm F4-5.6 L iso100 70mm f10 140" B NISI ND1000 photo : toshimasa
Canon EOS 5Dmk2 Canon EF 70-300mm F4-5.6 L iso100 70mm f10 140" B NISI ND1000 photo : toshimasa

 

◇写真の表現方法
写真は何を使って撮っても、感度・絞り・露光時間(シャッタースピード) この3つの組み合わせで出来ています。使う機種によって全て固定の物もありますし、全てオートの物もあります。スマートフォンのカメラはフルオートのカメラが多いですね。写ルンですの様なトイカメラや簡易カメラは固定の物が多いです。 この3つの組み合わせを「露出」と言います。一眼レフカメラやミラーレスカメラ・コンパクトデジタルカメラも この露出を変化させることができます。その為 自分だけの表現がしやすいカメラということになります。

シャッタースピードに注目
今回ここでは、この露出の3つの中で、シャッタースピードに注目して 写真の表現について考えてみたいと思います。
シャッタースピードとは、ダイヤルを回すと数字が変わっていったりするのですが、1/8000〜30"こんな数値で表されたりします。この数値がシャッターを切るスピードになり その間だけ光をカメラ本体に取り込みます。という事を意味しています。
1/8000とは、1/8000秒の事で ほんの一瞬です。ほぼ全てのものが止まって見えます。30"とは30秒の事で、凄く長い間シャッターが開いた状態になります。動いているものの軌跡が写ったりします。
人間の瞬きをシャッタースピードで置き換えると1/125程度らしいです。
なので、長時間露光で見ることのできる世界というのは通常見ることの出来ない、カメラでしか撮ることができない世界になります。

今回特に注目して 表現してみるのが、シャッタースピードです。しかも、通常のシャッタースピードより遅いスローシャッター(長時間露光)について考えていきたいと思います。 またスローシャッターのやり方についても説明もしていきたいと思います。

物の動きを捉える スローシャッター
スローシャッター(長時間露光)をする目的には2種類あります。暗い所を撮るのに光が足りなくて、長い時間シャッターを開けて光を必要量取り込む。 これは、夜景撮影や星などの撮影がそれにあたります。
もう1つの目的のスローシャッターが今回説明するものになるのですが、物の動きを捉える為のスローシャッターです。
では、どの様にすれば動きを写し出すことが出来るのか。
◇何の動きを捉えるのか
そもそも 何の動きを捉えるのか。それは、雲や水の流れです。

Canon EOS 5Dmk2 Canon EF 24-70mm F4 L iso100 41mm f10 100" B NISI ND1000+ND1000 photo : toshimasa
Canon EOS 5Dmk2 Canon EF 24-70mm F4 L iso100 41mm f10 100" B NISI ND1000+ND1000 photo : toshimasa

この写真は 東京スカイツリーを撮った写真ですが。長時間露光する事で、動いていく雲を写し出しました。手前の高速道路を走っている車は動きが早いので写りません。シャッタースピードは100秒です。これは、昼間に撮影しました。普通に明るい昼間にどの様にして100秒もの間シャッターを開けておけるのか。普通に考えたら光が入り過ぎて真っ白な写真になってしまいますよね。今回使ったのが、NDフィルターというものです。
NDフィルターを知る
NDフィルターとは、どんな物でしょうか。簡単に説明すると、黒い透明の板です。眩しい時にサングラスをかけますよね。それと同じような物で、黒い板で光の強さを調整します。色んな濃さの板があって用途別に使い分けます。

NDフィルターを使ってみる
NDフィルターを使ってみましょう。まずは沢山の種類から自分が使うNDフィルターの種類を選びます。通常のレンズの場合、レンズの先端に付けます。円形の場合はレンズの直径に合ったものを揃えましょう。超広角レンズの場合は円形のフィルターが使えないので、ホルダーを使って角型のフィルターを使うことになります。
円形NDフィルターを使う
私が使っているフィルターは円形のフィルターです。フィルター径は77mmの物を使っています。手持ちのレンズの最大径が77mmなので、77mm以下のレンズには、ステップリングという物を使って取り付けています。 NDフィルターは安価な物から、少し値段の高い物まであります。安価な物で種類を沢山揃えてみるのもいいですが、自分が一番使いたい物を少し良いもので用意するのもいいと思います。モノクロでも良い場合は安価なものでもいいかもしれないですが、風景で色が変わってしまうのは避けたい場合は、少し良い信頼の置けるメーカーの物を選ぶといいと思います。

長時間露光の方法
長時間露光で写真を撮る時の方法をまとめてみます。まずは機材ですが、三脚はいります。なるべくしっかりしたものを選びましょう。レリーズもあった方がいいですね。カメラはBulb機能のあるものがオススメです。
次に設定です。レンズはマニュアルモードで手ぶれ補正機能も切っておきます。撮影モードはM(マニュアル)がいいです。
三脚を安定した場所にセットします。カメラを取り付けて構図を決めます。カメラ本体に強い光が射している場合は光を避けてください。
Mモードで自分の好みの写真になる様に露出を設定します。マニュアルでピントを合わせます。この状態で撮ってみます。 露出がいいか確認です。
Canon EOS 5Dmk2 Canon EF 70-300mm F4-5.6 L iso100 100mm f8 1/5" M photo : toshimasa
Canon EOS 5Dmk2 Canon EF 70-300mm F4-5.6 L iso100 100mm f8 1/5" M photo : toshimasa

この露出のまま 水の流れを変化させていきます。上の写真のシャッタースピードは1/5です。今回使うNDフィルターはND1000です。シャッタースピードの計算は
1/5x10000=200
元のシャッタースピードを1000倍します。算出されたシャッタースピードは200 つまり200秒です。
ND8のフィルターを使う場合は元のシャッタースピードの8倍になります。200秒はMモードではダメなので、Bulbモードを使います。ISO感度と絞りの数値は先程撮影したものと同じ設定にします。ピントが動かない様に注意しながらレンズの先端にNDフィルターを取り付けます。レリーズでシャッターを切ります。表示のカウンターかストップウォッチで時間を計り 200秒露光します。
Canon EOS 5Dmk2 Canon EF 70-300mm F4-5.6 L iso100 100mm f8 200" B NISI ND1000 photo : toshimasa
Canon EOS 5Dmk2 Canon EF 70-300mm F4-5.6 L iso100 100mm f8 200" B NISI ND1000 photo : toshimasa

撮れた写真がこちらです。同じ構図で同じ様な露出のまま動いている水の流れだけを変化させます。風で枝が動いてしまうので、枝も完全に止めたい場合は風のない時に撮影するといいでしょう。

この様な方法で撮れば、NDフィルターを使っても設定に迷わずに使うことができると思います。
円形のフィルターで可変NDフィルターがあります、メモリが切ってあるのですが、ND値がわからないので それぞれのメモリがどのぐらいの値になるか事前に確かめておくといいと思います。
Canon EOS 5Dmk2 Canon EF 24-70mm F4 L iso100 26mm f10 60" B NISI ND1000 photo : toshimasa
Canon EOS 5Dmk2 Canon EF 24-70mm F4 L iso100 26mm f10 60" B NISI ND1000 photo : toshimasa

私が今使っているNDフィルターを紹介します。
NISIのND1000 pro nano 10stops
という円形のフィルターを使っています。フィルターを使う事で起きてしまう、色の変化や歪みが無いので、長時間露光をしても問題なく使えます。せっかくのフィルターなので安心して使える物を選んでみるといいと思います。

NDフィルターは ND2・4・8・16・32・64・200・400・10000 とあって 太陽観察用のND100000もあります。重ねて使うことも出来ます。
NDフィルターを重ねた場合 数字の掛け算になります。例えばND8とND1000を重ねた場合は、ND8000相当になります。うまく使えば表現の幅が広がる武器になること間違いないNDフィルター 皆さんも是非試してみてください。

注意点
長時間露光をする場合、カメラ本体に光が当たっていると思わぬ場所から光が入り込んでしまう事があったりします。それを防ぐために、ファインダーをカバーする事をお勧めします。上位機種になるとファインダーシャッターが付いているものもあったりします。Canonの場合はストラップにファインダーカバーが付いているので、使いましょう。