「最大撮影倍率」を理解してみる


最大撮影倍率ってご存知ですか?今回はこの最大撮影倍率という言葉について考えていきたいと思います。皆さんこんにちは。広角レンズで風景を専門に撮っている方はあまり気にしない数値なのかもしれませんが、近接の写真をよく撮っている方、特にマクロ撮影をやられているかたはよくご存知の言葉だと思います。

レンズの性能表記によく見ると最大撮影倍率が◯◯倍という表記がされています。一般的なレンズでは0.2倍くらいです。それがマクロレンズになると0.4倍ぐらいから1倍になります。この1倍とは被写体と同じ大きさの写真をセンサー上に写し出すことが出来るわけなんです。

では私が持っているマクロレンズが実際にどんな大きさで撮影されているのかを検証していきたいと思います。方法は簡単です、定規のメモリの部分を普通に撮影するだけです。

使うマクロレンズは、Canon FD 100mm F4 macro で、このレンズに FD-50 というエクステンションチューブを組み合わせることで1倍の撮影が可能だと言われているものです。これをK&F-conceot のマウントアダプター FD-EOS を使って取り付けています。

ちなみにこのレンズでフィルムカメラの CanonF-1 を使って撮影した場合、0.45m=1.0倍 ∞=0.5倍 でした。マウントアダプターを使う事による影響が出てくると思います。どのぐらい出るか楽しみです。では実験していきましょう。


フルサイズセンサーの場合(CanonEOS5Dmk2を使用)
フルサイズセンサーの一眼レフカメラに取り付けて定規を撮影してみます。フルサイズにつけると四隅がケラレてしまい黒くなってしまっています。

まずは、最接写の場合ピントリングの数字は0.45m 写し出されたメモリは27mmでした。Canonのフルサイズのセンサーサイズは横が36mmなので、 36÷27=1.33 となり 1.33倍となります。

センサーサイズは各メーカーによって若干の違いがありますので、お使いのカメラのセンサーサイズを調べておく必要があります。

ではついでに、ピントリングを無限遠側にした時はどうでしょう。ケラレの範囲は少し狭くなります。写し出された定規のメモリは 54mm です。同じように計算してみると 36÷54=0.67 となりますので、この場合は 0.67倍 となります。


APS-Cセンサーの場合(CanonEOS8000Dを使用)
では次はAPS-Cセンサーサイズのカメラに同じマクロレンズを付けてみるとどうなるでしょうか。皆さんはどのような予想をしますか? 大きくなると考える方もいるかと思います。ではやってみましょう。ちなみにCanonのAPS-Cセンサーサイズは 22.2mm です。他のメーカーだと 23.6mm というサイズのセンサーを使っています。まずは先ほどと同じように最近接撮影時 ピントリングのメモリ表記が 0.45m の場合です。写し出された定規のメモリは18mm です。なので、22.2÷18=1.23 つまり 1.23倍 になります。

こちらも無限縁側での撮影もしておきましょう。写し出されたメモリは 34mm ですね。なので 22.2÷34=0.65 となりますので 0.65倍 となります。

多少の誤差はありますが、このレンズを付けた場合の最大撮影倍率は1.2倍程となるわけです。まぁそこそこ本格的なマクロレンズではないでしょうか。そして今回の実験でわかったことは、センサーサイズによって写る大きさは変化しないということです。これはセンサーに写る大きさはっと言う事ですよ。例えばきっちり1倍のレンズの場合、定規のメモリそのままが写るので1mmは1mmとしてセンサー上に記録されます。センサーのサイズが違っているので記録される長さが変わってきますが1mmの大きさは同じになります。だからセンサーサイズが変わっても大きくは写されないと言うことになるんです。でも同じサイズの写真として現像した場合にAPS-Cセンサーの方が大きく写し出される事になります、これは同画素のセンサーの場合より大きく引き延ばされるので画像が粗くなりがちです。フルサイズでトリミングしていくのと同じ効果になります。厳密には若干違いますがイメージですので。


マクロの世界の数字のカラクリと最大撮影倍率について少しわかっていただけましたでしょうか?一度皆さんが持っているレンズでも実験してみると面白いかもしれませんよ。やり方は定規を用意して撮影するだけですから簡単ですよ。皆さんも一度試してみてください。