目で見たままの景色を撮りたい


目で見たままの景色を撮りたい

皆さんはカメラで写真を撮っていて、目の前に広がる景色を見たまま写真にしたいと思ったことはありませんか?自分の目で景色を見たときは、素敵だなって感じたのに、カメラで撮って後で写真を見てみると 何でこんな写真撮ったんだろう、何か違うなって事ありませんか? そこで、ここではカメラとレンズ そして人間の目・視野について比べて考えてみたいと思います。


カメラと目の似ている点と違い

まずは 根本的なカメラと目の構造で似ている点と違いについて知っておきましょう。

似ている点は 目の構造とレンズを含めたカメラの構造です。 目の構造を研究してそこからカメラが生まれたわけだから、根本的な仕組みは似ています。カメラの最前面にはレンズがあります。これは目も同じで最前面にレンズがあります。次に 絞りの機能がカメラにはありますが、人間の目にも同じような機能があります。暗い場所では開いて、明るい場所ではぎゅーっと狭くなります。そんな働きをする器官を瞳孔と言います。レンズを通って絞りで調整されは光は、センサーがあるスクリーンやフィルムに映し出されます。目では網膜と言われる場所ですね。

一番の違いはその先です。

◇5億7600万画素の世界

そのスクリーンには映し出された画像を認識するセンサーがあるのですが、デジタルカメラのセンサーの精度は画素数で表記されます。今のカメラは、2000万画素以上は普通で、3000万画素以上の物が主流になりつつあります。中には5000万画素を超える機種も出始めています。 では、人間の網膜はどのぐらいの画素数なのでしょうか? いろんな説がありますが、5億7600万画素になるそうです。桁違いです。人間の目、凄いですね。現在市販のデジタルカメラで一番高精度なものは1億画素なんて言われていますが、それの5倍以上です。先日スマートフォンに1億万画素を超えるカメラを搭載するモデルを出すと発表がありました。凄い事になってきました。この1億万画素を超えるカメラであなたは何を撮りますか?


両目で見る立体感のある景色

前面のレンズの性能にもよりますが、人間が見ている世界はどこまでもクリアーな世界なんですよ。そこが、写真と見ている景色が違う 一番の相違点になります。

他にも、人間は左右の2つの目で物を見ています、通常のかカメラは一つのレンズで物を写します。そこにどんな違いが生まれるかというと、距離感です。写真をあとで見たときに、何か物足りない景色だなって思う 一番の原因は立体感がなくなってしまっている点ではないかと思います。

平面的なのっぺりとした写真では、なんだか物足りないですよね。 写真で一番難しいいのは、いかにして立体感・奥行きを表現するかだと思います。写真で立体感や遠近感を出す方法は、絞り調整によるボケをうまく使ったり、構図に気を使う事で遠近感や立体感を出す事が出来ます。景色を超広角レンズで撮ってみると、パースの少しキツイ写真になったりします、これも遠近感を表現する方法の一つです。


画角の比較

次に画角について比べていきましょう。見たままの景色を撮るにはどんなレンズを選べば良いのでしょう。ここで3種類の画角で比べてみました。カメラをやっていると標準レンズと言われるレンズがあります。50mmの焦点距離のレンズを標準レンズと言いますが、これが人の視野に近いのでしょうか? 標準ズームレンズというものもあります。その多くが焦点距離24mmからはじまるものです。それならこの24mmが視野角に近いのでは? いやもっと人の目は広く見える、魚眼レンズを除いてフルサイズで一番広角な11mmなんですが、手持ちのレンズには無いので、14mmの焦点距離のレンズでも比べてみます。

50mm・24mm・14mmの焦点距離で比較してみました。


Sigma 50mm F1.4 EX DG HSM
Sigma 50mm F1.4 EX DG HSM

焦点距離50mmの世界

カメラ界で標準レンズと言われている焦点距離50mmで写した世界がこちらです。大迫力ですね。画面いっぱいに対象物の橋が映し出されています。写真として切り取るには、迫力ある被写体をメインにこれもなかなかいい感じではあります。が、実際に見ている景色はもう少し広がりがあり空間的余裕がありますよね。

Canon EF 24-70mm F4 L IS USM
Canon EF 24-70mm F4 L IS USM

焦点距離24mmの世界

次は 標準ズームレンズ24-70mmの広角端 焦点距離24mmで撮ってみました。なかなかいい感じです。普段見ている世界はこのぐらいなのかもしれませんね。ただ切り取ってしまうと少し圧迫感があるのか狭く感じます。 視界と比べると 視界を広く全体に意識を持って見ている時はもっと広い世界を見ている感覚です。だけど集中して一点を見つめているときの視野は この焦点距離24mmの世界に近いのではないでしょうか。人間の視野って意識によって広くなったり狭くなったりしてるんですよ。

SAMYANG 14mm F2.8
SAMYANG 14mm F2.8

焦点距離14mmの世界

超広角レンズ14mmの世界がこちらです。人間が両目で普通に見たときの視野に一番近いのが、この14mmの世界でした。左右の目で見たときの視野角はほぼこのぐらいですね、上下はもう少し視野の方が狭くなります。人間の目で広く景色を見ようと思うと、自然と視野が広がる感じがします。しかしその中からある対象物に注目すると先程まで広かった視野が狭くなった様な感覚になると思います。人の目には意識的なズーム機能が備わっているのかもしれません。


今回の検証の結果 人間の視野は、フルサイズ35mm換算で14mm程度の画角だということがわかりました。また、物を集中して凝視しているときの視野は24mmぐらいの画角になることもわかりました。人間の目をカメラに例えると、5億万超画素画像エンジン搭載 超広角ズーム14-24mm デュアルレンズ フルサイズカメラ となるのでしょうか?今回は実際に現地で定点に三脚を設置して、私本人の視野角と比較しながらいろんなレンズで撮影してみましたが、当然個人差はあると思いますので あくまで参考程度のデータとしてとらえていただけると幸いです。

では、どの焦点距離で撮影すれば良いのか? それは好き好きになると思いますが、なんでも14mmで撮れば良い写真になる訳ではありません。最適な画角でいかに構図を決めて撮るかが重要だと思います。いろんな画角・いろんな焦点距離でたくさん撮ってお気に入りのレンズを探してみると もっと写真が、カメラが好きになると思います。